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「鶇くんは起こしてくれた?」
「ええ。もうすぐ来ると思いますよ。今日は遅刻しないですみそうだ」
そんな軽口を、くすくすと伯母さんは可憐に笑った。
こと、と音を立ててコーヒーの入ったカップがテーブルの上に置かれる。
僕は席についてこんがりいい香りのするトーストを口に運んだ。
「……おはよう」
「あら、ほんと。今日は遅刻しないですみそうね、鶇君。おはよう」
はだけた学ランから赤いTシャツがのぞいている。
白い短髪はワックスで立てられ、不良さん以外の何者でもない格好をした鶇は、眠そうにあくびをした。そのままふらふらと席につく。
喧嘩では負けなしの鶇だけれど、今なら僕でも勝てるんじゃないかな。
無言でトーストを齧っていた鶇はあっという間に食べ終えてしまう。
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