11人が本棚に入れています
本棚に追加
「...おい、やっと来たか。チビ!」
そこに偉そうに言いながら、入って来たのはこの村に住む若者で、神社の息子、社享だった。
「...おや、いらっしゃい。今年は特に忙しくなりそうだね?」
祖母は笑いながら言った。
「...まさか、享ちゃんが私を嵌めたの?!忙しくなるてどういうこと??」
彼はいきなり私の両頬を伸ばしながら言った。
「...その呼び方、止めろと言っただろう!...っち、バレたか。今年は神様が何百年に一度、降りられる大切な年、それで、俺は親父の代わりに神様に捧げる舞をする。本来ならいつもは舞華に頼むだが、今年は頼めなかった。そこで相手役にお前を選んだ。俺様と組むんだから光栄だと思え!」
強引に話を進められた。
「...あっ、雀ちゃんいらっしゃい。享がいると言うことは聞いたんだね。ごめん、騙すようなことをして...。享は成功させたくて、雀ちゃんに頼んだだよ!...もし本当に嫌なら断っても良いよ。」
とても優しい口調のこの人は、高月柚月。私より2つ上で、享ちゃんと同い年で、私の従兄弟で幼馴染み。
どうやらハガキを出したのは、この二人だった。
「...柚月さん?!久し振りです。二人して酷いよ!...でも、良いよ。」
最初のコメントを投稿しよう!