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ーそれは子供の頃
当時の私は人見知りの激しい子供だった。享ちゃんに逢う度に、母や祖父母の後ろに隠れたり、柚月さんの服を掴んで離れない子供だった。
ある時、二人が私を置いて出掛けると言い、駄々をこねた。しかし、意地悪な享ちゃんは私を置いて出掛けてしまったのだ。柚月さんはやはり心配しつつも私を家に置き去りにした。
だけど、それが悔しくて、二人の後をこっそり付いてきた。で、結果的に私は彼らを見失い泣いていた。
「...柚月ちゃん、享ちゃん!どこに行ったの?...ママ、...おじいちゃん、...お婆ちゃん、どこ?...怖いよ!」
不安で泣きじゃくった。
それに振り袖を来た同い年位の長い髪の少女が現れた。
「...どうしたの?迷子なの?」
彼女は聞彼女は聞くから頷くと頭を撫でながら、手を握り締め、草村から抜けた所に連れて来てくれた。
「...見てご覧。綺麗でしょう?もう泣かないで!」
彼女は水辺近くに飛び交う蛍を見せてくれた。
そして、ここから村までの道の入り口まで送ってくれた。
「...名前、教えて?私は久遠雀よ!」
「...雲雀。」
強引ではあるが約束した。
「...また、ここに来れば逢えるよね?」
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