翻弄された運命と再会

4/7
前へ
/53ページ
次へ
ーそれは子供の頃 当時の私は人見知りの激しい子供だった。享ちゃんに逢う度に、母や祖父母の後ろに隠れたり、柚月さんの服を掴んで離れない子供だった。 ある時、二人が私を置いて出掛けると言い、駄々をこねた。しかし、意地悪な享ちゃんは私を置いて出掛けてしまったのだ。柚月さんはやはり心配しつつも私を家に置き去りにした。 だけど、それが悔しくて、二人の後をこっそり付いてきた。で、結果的に私は彼らを見失い泣いていた。 「...柚月ちゃん、享ちゃん!どこに行ったの?...ママ、...おじいちゃん、...お婆ちゃん、どこ?...怖いよ!」 不安で泣きじゃくった。 それに振り袖を来た同い年位の長い髪の少女が現れた。 「...どうしたの?迷子なの?」 彼女は聞彼女は聞くから頷くと頭を撫でながら、手を握り締め、草村から抜けた所に連れて来てくれた。 「...見てご覧。綺麗でしょう?もう泣かないで!」 彼女は水辺近くに飛び交う蛍を見せてくれた。 そして、ここから村までの道の入り口まで送ってくれた。 「...名前、教えて?私は久遠雀よ!」 「...雲雀。」 強引ではあるが約束した。 「...また、ここに来れば逢えるよね?」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加