たぶん、おしまいの話。

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窓から入るぼやけた陽射しに照らされて、本棚は静かにたたずんでいた。 誰もいない作業室。 大量のパソコンが淡々と音を吐き出す中、あたしは呆然と立ち尽くす。 瞬く。 本棚を見やる。 書類が大量に詰め込まれた可動式の本棚は、レールの上でも微動だにしない。 手で引っ張って動かすのも大変なのだから当たり前だ。 なら今のは、一体なんだ。
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