思い出。(エピローグ)

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それは小学校4年生の冬だったように思う。 「…っう。やだ…ボク行きたくない。…のっ…のこちゃん家の子になる…ヒック…」 いつも弾けんばかりの笑顔を振りまくお隣さん家の秀ちゃんは、身体中の水分が無くなってしまうのではないか、というほど…涙をぼたぼた足らしながら顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた。 「もー。そんな泣かんの秀ちゃん!!それにうち貧乏だから絶対秀ちゃんたえられないよ?」 「だって、秀ちゃんパンの耳嫌いでしょ?うちは毎朝パンの耳何だから食べるものないよ?」 「…うぅ。」 「でも~っ。…なっ…長すぎるよう…6年なんて…二回も小学生になっちゃうじゃないかぁ…ヒック。」 「二回も小学生かぁ…それは長いなぁ。」 二人ともあんまり頭が良くなかった…。 それを聞いたとたん秀ちゃんはさらに声をあげて泣き出してしまった。 折角の綺麗な碧眼がただの水溜まりと化している…。 「はっ!!でもすげぇじゃん!だって飛行機に乗れるんだよ!なんかグローバルじゃんか!」 「う…うぇ?グロー…?」 「なんかカッコいいでしょ!響きが!」 「う…うん…。」
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