第一章~剣道少女~

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「そ、そうだ学校いかないと」 今何時かな。 あたしは道場の掛け時計に視線を移す。 6:30 家から学校まで2時間。 入学式は8:45 「もっと早く言ってよ~!」 顔を青ざめ竹刀を投げ捨て 慌てて胴着やはかまをおじいちゃんに投げた。 「し、紫乃!」 「女の子が恥じらいもなしにはしたないわよ」 顔が真っ赤になっているおじいちゃんや 怒っているお母さんにも構っている時間などない。 あたしはお弁当片手に家から飛び出た。 「紫乃服は?」 「ひえふ(着てる)!」 「そう。それよりごはんくらい家でたべたら?」 「ふんあひはふはいはお(そんな時間ないよ)」 あたしは自転車に乗って全力でペダルをこいだ。 あ~入学式間に合うかな… .
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