夏の宴

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「賭け?」 岩見は思わず聞き返す。 「はい、今度小隊長の送別会があるでしょう?さすがにこの時は小隊長が主役じゃないですか、だから飲まずにはいられないと思うんです。だから、その席で沢山飲ませて、事実を確認するってのはどうです?一口百円、上限は千円まで。復勝はなしですよ。単勝のみです」 これには鬼と名の付く小隊長が賭けの対象であっても誰もがのった。 送別会当日まで、小隊だけだったものが中隊全体へと広がりざっと三十ほどに膨れ上がっていた。 「……、一番人気はやはり酒豪かな。二番は下戸。三番はキス魔、時点で露出狂。最下位は、寝るでかったら独り占めですよ」 宴会場にいくバスの中で、上村が自作のオッズ表を見せる。まぁこれだけ好き勝手言われたもんだと言い出しっぺながらすこし、五十嵐に同情する。 明確な下戸や酒豪の位置付けもないのだがとは今更いえなかった。
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