夏の宴

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「あ~ツレってあの会計隊の女?」 なるほど会計隊から警衛所は丸見えだ。 「そうです。なんでも三角関係だとか?で、実際はどうだったんです」 「事実無根。そんなことより、五十嵐二尉が遅れてくることを心配しろよ」 「はいはい……ちょっと便所行ってきます」 興味を無くしたように立ち上がった村上は、便所のある廊下へと出ていくのが見えた。 主役の五十嵐が現れたのはそれから十分ぐらいたったあとだった。改めて乾杯をし直すと、怒涛の勢いで我先にと五十嵐の元へみな詰め寄る。 因みに手に持つのは瓶ビール。五十嵐がビールをのむのも宴会に参加しているのも何だか新鮮だった。全く飲めない下戸ではないはずだ。演習ではある程度のむ姿をみているから。 だが、強いというほども飲まない。せいぜい缶ビール一本程度。だから下戸というのも可笑しかったが、今回に限り下戸の基準は、瓶ビール一本だった。
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