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話は五十嵐に戻る。
今日の五十嵐は、珍しくスーツであった。転属者だけが御固い格好をしているのだが、様になっているだけに心なしか腹が立つ。
仕事が出来て、顔が良くて、女(妻?)までいる。
もてるわ、そりゃ。
「村上……」
五十嵐が低く呟いた。隣にいた村上がビクリと肩を揺らす。
「なんすか?」
「俺は……暑いんだが?」
何で疑問形で上から目線なんだろう。とにかく、賭けの対象である露出狂の可能性が高いと皆も互いの会話を続けながら、五十嵐に注目していた。
「……、はい」
村上は首を傾げる。
「だから暑いんだよ」
「エアコンの温度さげましょうか?」
「いや……お前が脱がせてくれるよな?」
さあこいと言わんばかりに、五十嵐は足を組、腕をソファーに載せた。村上は、ひたすらおどおどしている。
(自分で脱がないのかよ……)
「いやいや小隊長……」
「脱がせてくれるんだよな」
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