夏の宴

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「岩見、お前にもご褒美いるか?」 この人は、絡み酒と露出にキス魔、ついでに色魔か! 「遠慮しま……」 「いるだろう?」 にっこり笑う顔が恐すぎる。 「洒落になりません」 「来ないなら、こっちからいってやろうか」 五十嵐が近づいてくる。逃げようと思ったら逃げれたのだが、岩見も蛇に睨まれていた。 端正な五十嵐の顔が近付く。 どうして目を閉じたのか。どうして逃げなかったのか。 くるっ! 固唾を飲む音など聞こえるはずがないし、聞こえはわけはないのだが、みながごくりとそうハモる。 「パシッ」 唇の感触ではなく、軽い頬への痛み。 恐る恐る目を開くと、呆れたように笑った五十嵐がいた。 「ば~か、冗談だ」 「うわ~冗談なら俺にも未遂でお願いしますよ……」 「あ?お前ぐらいにはしとかないと信憑性にかけるだろう?」 半泣きになりながら村上が訴える。
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