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「あの……」
「はい?何でしょうか」
「…いいえ、何でもありません」
ランプの光に照らされて、露わになった男性の姿。
銀色のさらさらな髪。
右目に片眼鏡。
爽やかさを醸し出す笑顔。
――とても紳士的な男性にしか、見えないはず。
それなのに……。
頭の先にあるソレに目を奪われて、仕方がなかった。
ソレの正体とは……。
――うさぎ耳。
異様に男性に似合うソレ。
私は釘付けになって、うさぎ耳を見つめていた。
もしかしたら男性は今、怪訝な顔をしながら私を睨んでいるかもしれない。
そう思って、目線を少しずらして男性の顔色を窺ってみたけど、相変わらず爽やかな笑顔で私を見ていた。
そんなことに少しだけ気を良くした私は本物なのか興味が湧き始める。
そして、触ってみたいな、と思うのと同時に体が勝手に動いていた。
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