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「お早うございます!」
豪華な花や鳥の絵でできらびやかに飾られた襖を開けると、僕の起床を待ち構えていたハウスキーパーたちが一斉にあいさつをしてくれる。
その数はざっと二十人ほどだが、他にも朝食の準備をしていたり掃除をしていたりするものがいるので、これで全部ではない。
長くて広い廊下は歩くとミシミシと軋む。
どうやらわざと軋むような作りになっているらしいが、ぼくにはイマイチ『風情』というのはわからない。
幾重にも曲がった廊下を歩いた先、僕はいいにおいに釣られるようにして広間に入った。
「お早う、キョウ太さん」
「お早う、ママ」
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