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「だって心配じゃねぇか。弟が姉ちゃんの心配したらいけねぇっていうのか?!」
自分の納得のいかない結果をぶちまけるところに幼さを感じる。
「ソレがウザイんだよ。紫姫は……ま、お前のウザさに救われてる部分もあるんだろうけどなぁ」
「……どこにだよ?」
ワイバーンの言葉の真意が分からない光騎は自分の行いの何が姉の紫姫を助けているのか、単刀直入に質問をした。
「さあてねぇ、気付いてねぇところがバカらしいっていうか……」
「言えよ!!そういう風に言われたら余計に気になるじゃねぇかっ」
ドッ
「いてっ」
光騎もなかなか身長の高い方だったが、それよりも随分と身長の高い男が光騎とぶつかる。
光騎はもちろん、吹っ飛ばされて、無様に尻餅をつく他なかった。
だがその大柄な男は謝ることすらなく、光騎を無視して進もうとする。
「ちょっと待てよ!てめえ!!!」
ガッ!!
光騎は怒りに任せてその男の腕を掴んだ。
「ああ?」
男は凄みを利かして振り返る。額に巨大な傷跡、そしてスキンヘッド、肌からチラリと見える刺青、明らかにガラの悪いチンピラだった。
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