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「謝れよ!!自分から当たっといて何も言わないなんてあまりにも失礼じゃねぇのか?!」
それでもバカなのか、物怖じしない性格なのか、光騎は怒りのままにチンピラに叫んだ。
「殺されたいんか?」
チンピラも案の定、キレて二人のにらみ合いが始まる。
「はぁ……」
ワイバーンのどこか呆れた溜め息が小さく漏れた。
「こんにちは」
「優奈……か」
涼しげでどこか含みのある声が紫姫に話しかけてきた。
声の主、優奈はスゥーっと足元から姿を現す。
その格好は一言でいうなら、ゴロスリというのだろうか。
紅を主体にしていたるところに白のフリフリがついたワンピース、そしてツバの大きな紅い帽子。人目見て奇抜な格好と周りから注目をかう、そんな格好だった。
癖ッ毛の大きく跳ねた自身の肩まである黒い髪を細い指先で撫でながら紫姫に向かって優奈は口を開いた。
「新しい仕事よ」
オレンジ色の優しそうな瞳が紫姫の瞳とぶつかる。
だがその優しそうな瞳の裏にある威圧を紫姫は感じ取っていた。
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