128人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう大丈夫ですわ。優奈様はわたくしが絶対に、お守りしますから」
優奈は椿の反応に満足したように、薄く笑みを浮かべる。
本当に、気持ち悪い女……紫姫は心の中だけで悪態をついた。
「紫姫、落ち着け。刃をおさめろ。あのような女に怒りをぶつけることの方が無様だ」
ヒュドラは紫姫の気持ちを分かったように、そう言ってくれた。
「貴様、優奈様を侮辱したわね?!」
椿は声を荒げ、優奈への侮辱に怒り狂う。
「いいのよ、椿。優奈ちゃんのことは」
ニコニコと微笑み、優奈は椿を制するように止めた。
「でも、あんまり調子に乗らないでね?また大切なものを失うことになるかもしれないから。優奈ちゃんの悪口言うと直ぐにパパの機嫌も悪くなっちゃうし」
カッ!!
「優奈……虐める奴……許さない……」
『パパ』そう呼ばれた声は悪魔のような影の姿で具現化した。
「パパ、落ち着いて?それに紫姫ちゃんの生活は全部優奈ちゃんの機嫌にかかってるんだからさ。ね?」
どれだけ他人を制したいんだろうか。優奈の言葉の裏の威圧には物凄い支配力が感じられる。
だが、紫姫と光騎の二人は優奈が必要な理由があった。
最初のコメントを投稿しよう!