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「めんどくせぇからMorgrimも'Ray'で良いじゃねぇか。」
Restが口を挟む。
「良いだろ、何でも。」
Zeroがめんどくさそうにそう言った。
「そうかぁ?」
Restはまだ少し不満そうだったがそれ以上はつっこまなかった。
「それにしても!Morgrim、久しぶりだなぁ!!」
狼よりもふたまわり程大きいRestが声を掛けた。
「あぁ、久しぶりだな。」
Morgrimは懐かしそうな顔をしながら言った。
「……相変わらず、色んな名前を語ってるんだな。」
MorgrimがZeroに言った。
「まぁな。俺は…相変わらずだ、何も変わらない。」
「……そうか………」
Morgrimが少し悲しそうな顔をしたがRestもZeroもわかっていながら触れなかった。「Morgrim、早速だがⅨの場所に案内して欲しい。」
Zeroが真面目な顔をしてそう言った。
「GIN…わかった。」
Morgrimも真面目な顔になった。
「悪りぃな。」
Zeroは少し俯き気味にそう言った。
「そんな!…俺はGINの役にたてるだけで本当に嬉しいんだ!!」
Morgrimは必死にそう叫んだ。
「そうか」
Zeroは一瞬とても優しい顔をしながらそう呟いた。
ゴォッ…
強い風が三人の間を通り抜ける。
Zeroは少し顔を上げて揺れる葉を見つめた。
「こっちだ。もうじき夜が明ける、急ごう。」
「あぁ。」
Morgrimを先頭に三人はⅨを目指し歩いた。
カツカツ、カツカツカツカツ……
「此処がⅨだ。」
Morgrimはそう言って立ち止まった。
目の前には少し古そうな建物が建っていた。
周りにある建物程は高さのない、至って普通の建物だ。
Zeroは建物に入るとまずじっくりと建物の内側の壁を見つめ、何かを見つけるとその場所に触れた。するとわりと小さい、妙な機械が音もなく現れた。まずZeroは長ったらしい暗証番号を素早く入力した。
『暗証番号、パス』
機械が喋った。次にZeroは声紋照合用のマイクに'Numbers'っと言った。
『声紋照合、パス』
そして最後に網膜スキャンに目を近付けた。
『網膜スキャン、パス。Ⅸに取り次ぎます。』
機械が音をたて液晶画面が現れた。
「名とNo.は?」
液晶画面に映っている男がZeroに問いかけた。
「名はない。No.は…0、だ。」
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