第二章

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「気分はどうだ?」 男がそう問うのは、檻の向こうにいる一人の少女。 身に纏っているものはボロボロになり、肢体を守る事が出来ているのか定かではない。 明らかに年端も行っていない少女だが、その身体はやつれ、見ていて痛々しいほどに傷がついている。 「……何か言ったらどうだ?」 男がそう問うが、少女は反応しない。 いや、もしかしたら出来ないのかもしれないがそれは定かではない。 「……まあいい。」 そう言って男は腰に下げていた鍵で檻を開ける。 「……」 ビシッ 男は中の少女に鞭を振う。 ッツ 少女は苦しそうに顔を歪めるが、声は出さない。 「……」 ビシッ……ビシッ……ビシッ 男は黙って何度も何度も鞭を振り続ける。 その少女に長年の恨みをぶつけるように……。
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