第二章

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……男は何回鞭を振っただろうか? 男が来るまでは壁に寄りかかっていた少女も今では床の上でグッタリしている。 「……フン、お前を捨てる日が決まった。二日後だ、二日後にお前はある危険な森の中に捨てられる。」 男の言葉は果たして少女に届いているのだろうか?それすら定かではないが、男は独白する。 「じゃあな。俺がお前と会うことはもう無いが、一応伝えておいたぞ。」 そう言って、男は元来た道を帰って行った。 ―明後日か。― また一つ、この世界で命の灯が消えようとしている。
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