第三章

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ビュオオオオ 静まり返ったある森に、一陣の風が吹いた。 その森のとあるところに、突如現れたのは魔方陣。 その魔方陣は一瞬光ったかと思うと消え、後には一人の少女が立っていた。 その少女の手足は震え、立っているのがやっとの状態にしか見えない。 ガサ…… 「!?」 少女の近くの茂みが揺れ、大きな熊のような生き物が現れた。 先ほどの魔力か光に反応してやってきたのだろう。その生き物は、少女を見て獲物と判断したのだろうか?ゆっくりと近づいていく。 「あ……」 少女は逃げようとするが、足が震えてその場から動くことが出来ない。 その様子を見た生き物はさらに少女に近づいてゆく。 「あ……あ……」 立つのもやっとだった少女は、迫りくる死の恐怖に耐えきれずに腰を抜かす。 その瞳が映すのは恐怖のみ。
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