第三章

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いつまでもやってこない衝撃と先ほどの声に驚き、少女は顔を上げた。すると、先程までいなかった筈の人間が目の前にいた。 年の程は少女と変わらない。だが、普通の人とはどこか違う雰囲気のする少年だ。 ッツ その少年の先にある光景を見て、少女は息をのむ。 先程少女に襲い掛かった生き物の攻撃は、その少年の腕一本で止められていた。 素人目に見てもその少年と生き物の力の差は明らかであったが、その少年は息をするかのように簡単にその攻撃を受け止めていた。 「ごめんね、此処は俺に任せて大人しく帰ってくれないか?」 クマックマックマッ 熊のような生き物(鳴き声からして熊)は何回か鳴いた後、その場を大人しく立ち去った。
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