未練がましい夫

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おばあちゃんも飛び上がって……幽霊に飛ぶも上がるもないか。とにかく生前ならショック死しかねないほど、大げさに驚いている。 「間違いありません!ここに来るとき妻もいっしょでしたからいてもおかしくは……」 「まずいね。あの子弱ってるよ。こころもからだも」 おばあちゃんの梅干し顔が、触れれば切れる真剣さに変わった。僕の表情もきっと相当なものだろう。
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