登山家を追う雪女

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彼を直視できず顔を下げた。言葉がみつからない。代わりにあごに力が入る。 歯が口を突き破るかと思う程強く。 「いのちを拾ってもらったことは感謝している。だからこそあなたの夫を探しに」 彼の顔が私を見る。だけど、まぶたが凍り付いていて目が見えないようだ。
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