登山家を追う雪女

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指? 「すみません……お願いが、あるんですが」 涙をぬぐった視界には、スコップに手を置く彼がいる。 「……先に、謝っておきます。本当に申し訳ありません」 彼の謝罪が、この雪山の冷気よりも身に染みる。夫のいない孤独よりも心を刺す。
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