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教えてもらった通りに進むとある部屋の前に辿り着く。すると部屋の中から声を掛けられる。
「誰だか知らねぇが中に入ったらどうだ。」
そして美織は驚かせようと結っていた髪をほどき、失礼しますと声を掛け襖を静かに開ける。
部屋の中には書類がたくさんあり、その中で足を組んで寝ている男がいた。キセルだろうか、煙が漂っている。
「相変わらず部屋、汚いわね。しかも何仕事まで怠けて寝てるの?」
声がした方に顔を向けた土方は顔を赤に染めていた。いや、染めない方が可笑しい。目の前にはとても艶やかで色気がある女が座っているんだから。
「知らない奴にそんな事言われる筋合いは無い。」
目を反らしている土方を見て美織は隣まで行き寝転び、そしてくっつく。
「あたしの事、知らないはずがない。」
美織は土方の髪を触る。
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