196人が本棚に入れています
本棚に追加
新八「ゲッ、副長っ?!」
歳三「ゲッ、じゃねぇよ。人の女にうるせぇだのなんだの暴言吐きやがって…さっさと飯運べ。」
新八「あぁ~い…」
歳三「……ったく。」
土方さんはご飯を食べる広間に向かい、新八さんは何やらブツブツいいながら夕飯をお膳に並べ始めた。
佐之助「…ぱっつぁんも、とんだ災難だな。」
あやめ「ほんと。」
私は頷きながら同意した。
佐之助「さて…俺たちも運んじまおう。嬢ちゃん、そっち持ってくれるかい?」
あやめ「はい。」
注意深く私は大量の夕飯を運んだ。
新八「くはぁっ!やっと飯だぜ!」
一「…静かに食え。」
夕御飯。
新撰組の幹部の人たちが集まって毎日食べている。私も同席させてもらっている。
佐之助「…そういえば、土方さん。」
歳三「ん?なんだ、佐之。」
佐之助「ついに外島が首を縦に振ったんでしょ?よかったですね。」
新八「あぁ~、砲門のやつね。やっと貸してくれんのか。」
みんな口々に喜びの声をあげている。
歳三「まぁな…ただ、単に喜ぶだけじゃいけねぇよ。問題は、こいつを何に使うかだ。」
勇「……」
近藤さんは静かに話を聞いている。
自然と私も、そしてみんなもシンとなる。
歳三「…長州と薩摩が手を組んだのは知ってるな。」
龍馬さんたちがやったことだ。
現に私たちもその現場に居合わせた。
歳三「薩長、さらには土佐が今、京入りしている。恐らく、戦を仕掛ける気だ。」
一「戦…ですか。」
歳三「あぁ。坂本が大政奉還を成し遂げた今、やつらは幕府と正面からやりあうつもりだ。」
そんな…。
戦って、戦争だよね。
それに、土佐って言うから、龍馬さんや慎ちゃん…大丈夫かな。
歳三「…あやめ」
あやめ「は、はい。」
歳三「お前も聞け。大事なことだ。」
あやめ「…はいっ。」
私は体を土方さんに向け、真剣に聞いた。
土方さんもそれ以上に真剣に話す。
歳三「長州の兵が今伏見にいる。恐らく、そこが戦の中心だ。」
佐之「つまり…?」
歳三「俺たち新撰組は、幕軍として伏見に向かう。」
!!
伏見…戦いの中心へ?
最初のコメントを投稿しよう!