―第二話―

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新八「ゲッ、副長っ?!」 歳三「ゲッ、じゃねぇよ。人の女にうるせぇだのなんだの暴言吐きやがって…さっさと飯運べ。」 新八「あぁ~い…」 歳三「……ったく。」 土方さんはご飯を食べる広間に向かい、新八さんは何やらブツブツいいながら夕飯をお膳に並べ始めた。 佐之助「…ぱっつぁんも、とんだ災難だな。」 あやめ「ほんと。」 私は頷きながら同意した。 佐之助「さて…俺たちも運んじまおう。嬢ちゃん、そっち持ってくれるかい?」 あやめ「はい。」 注意深く私は大量の夕飯を運んだ。 新八「くはぁっ!やっと飯だぜ!」 一「…静かに食え。」 夕御飯。 新撰組の幹部の人たちが集まって毎日食べている。私も同席させてもらっている。 佐之助「…そういえば、土方さん。」 歳三「ん?なんだ、佐之。」 佐之助「ついに外島が首を縦に振ったんでしょ?よかったですね。」 新八「あぁ~、砲門のやつね。やっと貸してくれんのか。」 みんな口々に喜びの声をあげている。 歳三「まぁな…ただ、単に喜ぶだけじゃいけねぇよ。問題は、こいつを何に使うかだ。」 勇「……」 近藤さんは静かに話を聞いている。 自然と私も、そしてみんなもシンとなる。 歳三「…長州と薩摩が手を組んだのは知ってるな。」 龍馬さんたちがやったことだ。 現に私たちもその現場に居合わせた。 歳三「薩長、さらには土佐が今、京入りしている。恐らく、戦を仕掛ける気だ。」 一「戦…ですか。」 歳三「あぁ。坂本が大政奉還を成し遂げた今、やつらは幕府と正面からやりあうつもりだ。」 そんな…。 戦って、戦争だよね。 それに、土佐って言うから、龍馬さんや慎ちゃん…大丈夫かな。 歳三「…あやめ」 あやめ「は、はい。」 歳三「お前も聞け。大事なことだ。」 あやめ「…はいっ。」 私は体を土方さんに向け、真剣に聞いた。 土方さんもそれ以上に真剣に話す。 歳三「長州の兵が今伏見にいる。恐らく、そこが戦の中心だ。」 佐之「つまり…?」 歳三「俺たち新撰組は、幕軍として伏見に向かう。」 !! 伏見…戦いの中心へ?
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