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つかつかと歩いてくるその姿は…
あやめ「土方さんっ!お帰りなさい。」
歳三「ん、帰った。」
少し上機嫌な様子。何か良いことでもあったかな。
勇「お、歳。やけに機嫌がいいな。」
近藤さんもわかったみたい。
歳三「まぁな。ようやく外島さんが首を縦に振りやがった。」
総司「貸してもらえるんですか?砲門。」
歳三「あぁ。これで新撰組は無敵ってもんよ。」
なんかわかんないけど…
あやめ「よかったですねっ。」
歳三「おぅ。」
笑顔でくしゃくしゃと頭を撫でてくれる。
まるで子猫を可愛がるみたいに。
歳三「…それより、近藤さん。あやめに変なことを吹き込むのはやめてくんねぇかな。」
勇「何がだ?」
歳三「俺は別に女なら誰でもいいって訳じゃねぇんだぜ?」
総司「えぇ?そうですか?」
と、ここで沖田さんも会話に加わった。
総司「江戸の武州にいたときなんか、どこにでも手を出してたじゃないですか。」
あやめ「そうなんですか?やっぱり。」
歳三「おい、やっぱりってなんだ。」
私は舌を出しておどけてみせる。
大体そこは意識してたんだよなぁ。
だってそうでもなきゃ、女の子の扱い方知ってるはずないもん。
勇「はははっ!やっぱりかっ!あやめさんは本当に面白い娘さんだな!」
総司「全くです。」
歳三「うるせぇ。大体今は関係ないだろ。」
そう言って、土方さんはちらっと私を見た。
あやめ「…?」
歳三「――…兎に角、以上だ。」
勇「お、おい、歳?」
土方さんはそのまま自分の部屋に向かった。
総司「…へぇ。土方さんにも恥ずかしいっていう感情があったんだ。」
あやめ「そうですねー。」
うん。…私も意外だった。
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