―第一話―

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つかつかと歩いてくるその姿は… あやめ「土方さんっ!お帰りなさい。」 歳三「ん、帰った。」 少し上機嫌な様子。何か良いことでもあったかな。 勇「お、歳。やけに機嫌がいいな。」 近藤さんもわかったみたい。 歳三「まぁな。ようやく外島さんが首を縦に振りやがった。」 総司「貸してもらえるんですか?砲門。」 歳三「あぁ。これで新撰組は無敵ってもんよ。」 なんかわかんないけど… あやめ「よかったですねっ。」 歳三「おぅ。」 笑顔でくしゃくしゃと頭を撫でてくれる。 まるで子猫を可愛がるみたいに。 歳三「…それより、近藤さん。あやめに変なことを吹き込むのはやめてくんねぇかな。」 勇「何がだ?」 歳三「俺は別に女なら誰でもいいって訳じゃねぇんだぜ?」 総司「えぇ?そうですか?」 と、ここで沖田さんも会話に加わった。 総司「江戸の武州にいたときなんか、どこにでも手を出してたじゃないですか。」 あやめ「そうなんですか?やっぱり。」 歳三「おい、やっぱりってなんだ。」 私は舌を出しておどけてみせる。 大体そこは意識してたんだよなぁ。 だってそうでもなきゃ、女の子の扱い方知ってるはずないもん。 勇「はははっ!やっぱりかっ!あやめさんは本当に面白い娘さんだな!」 総司「全くです。」 歳三「うるせぇ。大体今は関係ないだろ。」 そう言って、土方さんはちらっと私を見た。 あやめ「…?」 歳三「――…兎に角、以上だ。」 勇「お、おい、歳?」 土方さんはそのまま自分の部屋に向かった。 総司「…へぇ。土方さんにも恥ずかしいっていう感情があったんだ。」 あやめ「そうですねー。」 うん。…私も意外だった。
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