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土方さんって、やっぱり…
あやめ「好きなのかなぁ…」
総司「ん?何が?」
あやめ「んー…女のヒト?」
勇「いや…あいつは女が好きなんじゃないよ。」
あやめ「え?」
不意に近藤さんがそう言った。
少し遠い目で、土方さんが去った方を見ながら。
勇「歳は…まぁ、それこそいろんな女に手ぇ出してたが…――自分が惚れた女が好きなんだ。」
――…
自分が惚れた女―。
あやめ 「よく…わからないです。」
勇「ふふ…あやめさんはそれでいいんじゃないかな。」
近藤さんはその足で局長室へと引き上げた。
総司「……近藤さんも男だなぁ。」
あやめ「ね…。」
…やっぱり、よくわかんないや。
総司「さて…僕も引き上げようかな。あやめさんも、自分の部屋に戻ったら?」
あやめ「…そうします。」
新八「おっ、あやめちゃんじゃん。ちょうどよかった。」
あやめ「あ…新八さん。」
と、そこに永倉新八こと、新八さんがやって来た。
新八「あのさ、さっき台所行ったんだけど…。沢庵切れてた。あと、野菜がちょっと。」
あやめ「あ、そうでしたか?私、買ってきます。」
新八「おう、よろしく頼んだぜ。」
ニカっと笑った新八さんに見送られ、私は買い物に出た。
【新撰組・土方歳三】
歳三「ふぅ…」
俺は普段着に着替え終え、一息ついていた。
歳三「…茶がほしいな。」
あやめに頼むか。
部屋を出て、あやめを探す。
総司「あっ、土方さん。何してるんですか?」
と、総司が廊下を歩いてきた。
歳三「総司てめぇ、寝てなくていいのか?」
総司「んもう、みんなして僕を病人扱いするんですね。」
歳三「病人だろう、お前は。」
すねて見せる総司。
歳三「ったく…。あいつ、知らねぇか。」
総司「あいつって?山崎ですか?」
歳三「……」
こいつ、わかって言ってやがるな。
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