―第一話―

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土方さんには、今私が新撰組にいることを伏せておくように、といわれている。 なんでかはわかんないけど。 店主「そやったら、近くにもう一軒店があるさかい、紹介しましょか?」 あやめ「えっ、本当ですか?ありがとうございます!」 私は道を教えてもらい、そのお店まで行った。 あやめ「……ご、ごめんくださーい…」 少し古びた一軒家で、いかにも老舗って感じ。 ???「はいっ!少々お待ちを!」 奥から女の人の声がして、店先まで顔を出した。 …なんて綺麗な人だろう。 肌が白くて、唇なんかは嘘みたいに真っ赤で、優しい、澄んだ眼… あやめ「あ、あの。沢庵がほしいんですけど…」 ???「まぁお客様、はじめてね。大根でいいかしら。」 あやめ「あっ、はい。」 綺麗な手で、沢庵をよそってくれた。 あやめ「あ、ありがとうございます。」 ???「今後とも、ご贔屓にして下さいね。私、お雪と申します。」 あやめ「お雪さん…」 雪と名乗った彼女。名前の通り、雪のように白い手で、私に手を振って見送った。
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