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それを聞いた俺は、彼女の元カレに対し悪意を… 彼女に対して守りたいなどという感情が、ほんの少し芽生えてきた… 俺はいてもたってもいられず彼女に、「もし、貴女さえよければ、しばらくここで暮らすといい」 と言っていた… これが2人のはじまりだったのかも知れない… それからというもの、俺は今までとほとんど変わる事なく生活していた… 彼女と同居していることを除けば… その日はいつもより少し早めに帰宅する事ができた… 「ただいま」といいながら部屋へ入れば「おかえりなさい」と彼女が出迎えてくれた… 彼女もだいぶこの生活に慣れたのか、俺のことを「藤原さん」から「拓斗さん」へと呼び方を変えていた… それは、俺も同じことで、「黒宮さん」から「黒宮」と少しばかり、慣れてきていた… そんなある日… 俺は黒宮と2人で買い物に出かけた時のことだった… 後方から、誰かが黒宮を呼んだのだ… 俺はその呼びとめた奴を知らないが、黒宮の怯えた顔を見て、元カレだと悟った…
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