寿司屋、薩摩家で…… 

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 真弓(まゆみ)は ちらりと腕時計を覗(のぞ)きながら、 見合いの相手である、貞雄に尋ねた。 「ねぇ、 それであたしをどげんする気ぃ?」  貞雄はビールを呷(あお)ってから、 眼鏡に手をあてがい真剣な目差しで、 「も、もちろん結婚をば前提にお付き合いをば……ぜひ」 お願い致します と、 言うように ちょこんと頭をさげて言った。  真弓は、ふ~ンと頷くと、 「それで、 あたしの何処が気に入ったと?  三十四ょ来年で・あ・た・し」 と、 睨(にら)み気味に応えた。
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