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料亭志布志で……
真弓は夕刻にはその足で、
本日三回目のお見合いの席に着いて、
お湯割りの焼酎を
ぐぅっと
呷っていたのだった。
「あ~~っ、
ふぅ~~っ」
「ほう……
お見事な飲みっぷりですなぁ」
真弓は静かにコップを置いた……
つもりだったが、
「重三さん、
……でしたっけ?
……酔っ払いの
女子(おなご)は、
好かんですか?」
ゴトリ
と、
それは大きく響いた。
「わっははは……。
真弓さんとやら、
この歳になると
多少のことの女子には驚かんとですよ」
酔ったせいか、
真弓は
この人ならば安心して、甘えられるような気がして、
それに
性欲的な魅力をもこの人に感じてしまっていた。
「重三さん……
そちらに、
お側にぃお邪魔しても……
よろしいでしょうかぁ」
真弓はもはや、
自分が何を言っているのか……、
ここがどう云う席であるのか
さえも
分からなくなってきていた。
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