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「私なら一向に構わんが……」
真弓はにっこり頷く
と、
お湯割りの焼酎を片手にして、
っっっと、
赴いたのだった。
「えへへ……。
重三さんお邪魔しますがよっと」
そうは言ったものの、
流石の重三もこれには驚いた。
「重三さん、
お酌するがねぇ」
重三はためらいながら、
そっと杯を差し出した。
「真弓……さん、
私を気にいったのかね?」
重三は
覗き込むようにして、真弓の眼を見た。
真弓は
重三の腕に寄せて
顔を上げると、
重三の目線に合わせた。
そうしてから……、
静かに瞼(まぶた)を閉じた。
重三は辺りをキョロキョロしながら……
ゆっくりと唇を
真弓の唇に重ねようとした、
途端、
真弓は
ガックリとうなだれて、
大きないびきを掻(か)き始めたのだった。
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