アウディの出した条件

2/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
少し前からその心配はあった。それをトヨタは無視していた。 それも仕方ない。 ILMC、ALMS、LMSのほとんどのレースで勝利。 だがむしろそれはトヨタに心配な展開だったが……… 「速さ」の面では確かに証明済み。そしてメルセデスが消えた事でほぼ敵はいなかった。 しかし………その心配をアメリカのレース専門放送局MSTVの人気解説者、ピートウィンザーはこのトヨタ惨敗の光景を見て語る。 「6時間のレースですらトラブルを起こすマシンが24時間のレースを走って行けないよ!まあ日本はこの程度という事でしょう!」 「ははははは!」 実況も笑ってしまう程の酷い出来だったという事だ……… ポールから3台を並べたトヨタは最後に1台しか残らず、そのマシンも表彰台に立つ事は許されなかった。 「おお!まただ!まあタイヤのバーストならむしろラッキーだな!はははは!」 ここまででついた大きな差を取り返す為のアタックは結局自分達の致命傷になる。 3位が限界のBMWを1分差に詰めた所でタイヤのバースト。 残り1時間のトラブルはこのレースを『惨敗』で形容するにふさわしい結末だった。 「は!!ついにあのマシンは終わったな!これでようやく『本来』の順位が分かる!」 結果、ポルシェのワンツー。BMWが何とか表彰台。 トヨタ全車全滅。 だがこの時既にファーレンハイトは次の行動に出ていた……… 彼が話に行った所は『audi』 『リアル』で最強時代を作った平成のポルシェ。 このメーカーをポルシェに当てるつもりだ。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!