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  世界のどこかにあるという国立世界W学園。国として生まれたなら一度は通わなくてはならない場所……らしい。 そんな学校の校門に、一人の少女が立っていた。 漆黒の長い髪をうしろに緩く一つにまとめ、W学園のセーターとスカートと身に纏っている。青が少し混ざってる黒い瞳はまっすぐと校舎を見つめていた。 見た目は至って普通だった。――首に巻いてある包帯さえなければ。 「ここがW学園、ねぇ……」 少女――クラネリナは校門をくぐり、校舎を目指して歩き始めた。 しかし…… ピピーッ!! 「……?笛の音?」 あと数歩で校舎に入る、という所で笛の音に遮られた。 「そこの女、待て」 うしろから声をかけられた。 振り返ると、そこには眉毛が特徴的な青年が笛を持って立っていた。  
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