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リーンゴーン…… リーンゴーン……
真上から鐘の音が響いてきた。
「!? な、何故……!?」
思わず動きを止め、上を見上げた日本。しかし、中からでは鐘の様子はわからない。
「日本さん、前!!」
クラネリナの声にハッとした日本はすぐ前を見た。
体制を立て直した灰色の巨人が今にも手を振り下ろそうとしていた。
――しまった……!!
刀を盾にし、巨人の拳を受け止めた。だが予想以上に拳は重く、弾き返すことが出来ない。
それどころか、気を緩めればすぐ押し潰されてしまうような状態だった。
「くっ……」
灰色の巨人は冷たい瞳で日本を見下ろしている。拳が一段と重くなった。
――これは、ヤバいですね……。
「今、助ける!」
クラネリナは制服の中から紙束を取り出すと一枚剥がした。そして短く呪文を唱えると同時に、それを巨人に向けて投げた。
「火焔(フオ イエン)!!!」
彼女の手からお札が離れると、たちまちそれは火の玉へと変わり、勢いよく巨人の方へ飛んでいった。
火の玉が巨人に当たると同時に、拳が一瞬浮いた。
その隙に日本は後ろにさがり、相手のリーチから外れた。
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