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* * *
「……おや?」
歩いていた日本が急に立ち止まった。それにつられてクラネリナも止まる。
「どうしたの?日本さん」
「今……音がしませんでしたか?」
「音……?どんな?」
「何か、物が揺れるような……。この教室から聞こえた気がしたのですが……」
「私は聞こえなかったけど……。どうする?気になるなら見ておく?」
「そうですね……入ってみましょうか」
日本は教室の扉を開けた。ロッカーが近いところを見ると、後ろ側のようだ。机がズラリと並んでいて、これと言っておかしい所はなかった。
「ぱっと見は何もないみたいだね」
「えぇ……。私の聞き間違いのようでした。すみません」
「平気。もしかしてイタリー達がいるんじゃないか、って思ったし」
「やはり、イタリア君達も巻き込まれているのでしょうか……?」
「確率はすごく高い。“予知夢”で見たのは空の変化と日本さんがアイツに襲われるところ、あと校門に行ったところだけだったから……詳しくはわからない」
そう言うとクラネリナはしょぼんとした。そんな彼女を励ますかのように日本は言った。
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