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「…何で?」
「………僕…、好きな男の子が出来たんだ…」
薫のその言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
「隣のクラスの拓海くんって――」
そのとき、俺の何かが切れた。
薫の言葉が聞きたくなくて、薫をベットに押し倒していた。
何で、何で俺じゃない…その言葉ばかりが頭の中でぐるぐるしている。
「お兄ちゃ…――っ!?」
気付いたら薫の口を塞いでいた。
何度も何度も…苦しいのか俺の胸を叩いてくるが、全然力が入っていなかった。
悲しませたかったわけじゃない、苦しめたかったわけじゃないのに。
俺、何やってんだろ…。
でも、もう止まらない。
「俺の言うこと聞けないの?」
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