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「お、兄…ちゃ…?」
恐怖みたいな色が、瞳が震えて映ってる。
このとき、薫の瞳みには俺がどんな風に映ってたのかな?
「お前は俺を見てろ、俺の言うこと聞いてればいいんだよ…」
首筋に顔を埋めると、薫の体は震え出す。
そして、キスマークを付けると薫は叫び出した。
「っやだ…やめて!!」
「…止めねー」
ただの嫉妬。
多分俺は自制が利かないくらい、薫が好きだと言った奴に嫉妬していたんだ。
薫が好き過ぎて…
こいつを渡したくない。
遠くに行ってしまうのが許せなくて…怖くて、束縛をしたんだ。
でなきゃ泣き叫ぶ薫をあの日…、抱きはしなかっただろう。
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