出会い

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色々な思いが入り交じったまま最後の一音まで丁寧に弾ききる。 綺麗な余韻を残して… 音が完全に消えた頃,いつもなら静寂に包まれるはずの部屋に拍手の音が響いた。 奏太はゆっくりと目を開け,辺りを見回した。 不意に視界に入ったのは女の子。 それも窓の外だった。 奏太が驚いて後ずさると,少女は口を開いた。 「素晴らしい演奏でした。」 とても嬉しそうな表情をしている。 「ちょっと待って。ここは二階…」 久しぶりに声を出したと感じつつも窓を開けて身を乗り出す。 「えっ…」 僕の勢いに驚いている少女は, 浮いていた
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