2章:初めて見た神様

3/8
前へ
/15ページ
次へ
「あれ、なんだここ?」 木が少なくなってきたから麓に出れたのかと思ったがどうやら違ったようだ。 そこは半径5メートルほどの開けた空間で、その真ん中には木でできた小さな社のようなものが据えられている。 その社に近付くとその社に「猪口台桐代山百合神」と彫ってあるのが見えた。 猪口台(いぐちだい)っていうのはここの地名だから、この辺一帯の神様ってのは本当みたいだ。 ……なんとなくだめな気はするけど、中、気になるな。 僕はつい、好奇心に駆られてその小さな社に付いてある観音開きの扉に手を掛けた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加