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くそっ! 邪魔なんだよ! この蛇ども!
斬っても斬っても沸いて出てきやがる。
早く祭壇の頂上に向かわなきゃならねぇってのに。
俺はがむしゃらに草薙剣を振り、蛇を血祭りにあげる。
そして走る。
あいつらが今どうなってるか知らねぇが、とんでもねぇことになってるのは間違いない。
早く行かねぇと。
すると突然祭壇が揺れた。
走っていてわからないが恐らくこっちも揺れている。
自然なものかそれとも……どちらにせよいい方に回るとは思えない。
ダッシュだ俺!
「風の力を我が足に 【アクセル】!」
つまりは足を速くさせる魔法だ。
簡単だし使い勝手がいい。
これのおかげで一気に祭壇までたどり着いた。
階段長いな。
しかも明るく日が差していた空が暗く分厚い雲に覆われてやがる。
これがいいことが起こるとは思えない。
沸き立った不安を打ち消すように頭を振るが、すっきりしない。
だがいつまでもここで止まってるわけにはいかない。
蛇どもは俺を殺すために牙を剥き出しにして這い寄ってくる。
しかし数は明らかに減っている。
止まることなく迸る落雷によって。
そして階段を駈け上がろうとした時だった。
突然、祭壇の頂上に巨大な封印の術式が浮かび上がった。
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