過去~十年前の儀式~

34/38
前へ
/813ページ
次へ
くそっ! 邪魔なんだよ! この蛇ども! 斬っても斬っても沸いて出てきやがる。 早く祭壇の頂上に向かわなきゃならねぇってのに。 俺はがむしゃらに草薙剣を振り、蛇を血祭りにあげる。 そして走る。 あいつらが今どうなってるか知らねぇが、とんでもねぇことになってるのは間違いない。 早く行かねぇと。 すると突然祭壇が揺れた。 走っていてわからないが恐らくこっちも揺れている。 自然なものかそれとも……どちらにせよいい方に回るとは思えない。 ダッシュだ俺! 「風の力を我が足に 【アクセル】!」 つまりは足を速くさせる魔法だ。 簡単だし使い勝手がいい。 これのおかげで一気に祭壇までたどり着いた。 階段長いな。 しかも明るく日が差していた空が暗く分厚い雲に覆われてやがる。 これがいいことが起こるとは思えない。 沸き立った不安を打ち消すように頭を振るが、すっきりしない。 だがいつまでもここで止まってるわけにはいかない。 蛇どもは俺を殺すために牙を剥き出しにして這い寄ってくる。 しかし数は明らかに減っている。 止まることなく迸る落雷によって。 そして階段を駈け上がろうとした時だった。 突然、祭壇の頂上に巨大な封印の術式が浮かび上がった。
/813ページ

最初のコメントを投稿しよう!

709人が本棚に入れています
本棚に追加