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「てめぇ……絶対見てたろ……」
「もちろん! 門の側でね! いやぁ見ごたえあったね!」
清々しいほどの笑顔で言って来やがったよ。
ムカつきを通り越して呆れだな…。
つーか混ざれよ!
三対多って何だよ!
数が多い方が勝つに決まってるだろ!
多勢に無勢って言ったやつ誰だ!
ぴったしじゃねぇか!
俺言ってること支離滅裂だし!
事実勝っちゃったし!
「まぁ雷帝さんもいたし、勝ったからいいだろ?」
「確かにそうだけど…」
「戦いたくなかっただけだから任せたんだけどね♪」
「先生ぇ~こいつのねじまがった心叩き直してくれぇ~」
「誰に言ってんの?」
「…………」
「それにしても君達が蛇を倒して、僕は何もしなくて万々歳さ。
まぁ君はぜんぜん活躍しなかったし、残念過ぎたろうけど、僕的にはそれも面白かったよ♪」
何こいつ…性格悪いとか腹黒いとかの言葉はこいつのためにある気がする。
「僕が腹黒いなんて昔からじゃないか♪」
心読むなぁーーー!!!
「それも昔からだよ♪」
だ か ら
「無駄だって」
……会話になってねぇか?
「なってるね」
もうやだこいつ。
「そういえば彼女とのデートはいいの?」
「あ……」
やべぇ…どうしよ…。
そういやこいつらの前に一回来たな。
すぐ走り去ったけど。
「彼女、門の側にいるよ。
祭りはちょうど最骨頂を見せてるからまた一緒に行ったらどう?
君の脱臭とか掃除も終わったし、ここの修復とかは任せて、さ。」
意外と気の利くいいやつだったりする。
「いいもの見せてくれたしね♪」
……前言撤回。
とはいえ俺は終始にやついていたこいつに軽く礼を言うと、門へと歩き出した。
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