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期待の眼差しであいつとグレンを交互に見ると、あいつが俺を見て、クスリと笑いやがった。
思わず身構える。
何企んでんだか…。
だがあいつは俺の予想を百八十度反転し、
「それもそうだね。
僕としてはネイトも焦ってくれたらもっと楽しめたんだけどね」
不満そうに呟くと、
「じゃ、二人でデート再開してきなよ♪」
「違うからな!」
やべっ…最後の最後で…。
だがあいつはこれ以上何も言わずにグレンを連れて部下の方に歩いて行った。
「おい…これからどうす…」
俺が──へと振り返ると、何故かだ顔を紅潮させ、固まっていた。
どうすっか…。
こいつはこうなるとなかなか戻らない。
水でもぶっかければいいのだろうが、生憎、俺は炎と風の二属性だ。
凄くね?
とりあえず呼び掛けながら肩でも揺さぶって見るか…。
「おーい起きろーおーい」
何か肩の動きに合わせて、頭を前に後ろに交互させている。
これ大丈夫か?
「う、う~ん…」
「あ、戻ってきた」
あれ?おかしいな、意外と簡単だったな。
と思ったが──は俺の顔が目の前にあるのを認めると、顔を更に紅潮させ、すぐさま俺を突き飛ばした。
「ち、違うからね!
別にネイトのことなんてどうとも思ってないからね!」
と叫ぶ。
俺はただ唖然としていた。
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