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グレンは草むらから頭を出し、辺りを確認すると、所々傷のついた体を出し、真剣な顔つきで俺の質問に質問で返した。
「なぁこっちに黒服のやつが来なかったか?」
「……いや知らないな、見たか?」
状況が呑み込めずおろおろする隊員に確認をとる。
「いっいえ……他の配置の人にも聞いてみますか?」
「いやここじゃないなら他も違うからいい。
くそっ…逃げられたか…」
憎々しげに呟くグレン。
さっきから何なんだよ。
「何かあったのか?」
「ああ……レースが連れ拐われた」
「「何!?」」
俺と隊員の声が重なる。
「何があった!?」
「朝の話だ。
あんたらが出発した後、レースが見晴らしがいいところに行きたいって言い出したから、俺は屋敷の屋根の上に連れてった。
したら祈り始めたもんだからそこで待っていたが、突然目の前に黒服のやつが現れた。
そいつは不気味に笑うと無数と言えるほどの蛇を召喚しやがった。
俺は応戦したが隙を突かれ、レースが捕まった。
レースを気絶させ、肩に背負ったそいつは屋根を走って逃げた。
追おうとしたが蛇に邪魔され、追えない。
やつの姿が見えなくなったところで蛇が一斉に消えたから、やつを追ってここまで来たんだ」
ここまで言うと、グレンはダンッと乾いた地面を踏みつけた。
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