過去~十年前の儀式~

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グレンは草むらから頭を出し、辺りを確認すると、所々傷のついた体を出し、真剣な顔つきで俺の質問に質問で返した。 「なぁこっちに黒服のやつが来なかったか?」 「……いや知らないな、見たか?」 状況が呑み込めずおろおろする隊員に確認をとる。 「いっいえ……他の配置の人にも聞いてみますか?」 「いやここじゃないなら他も違うからいい。 くそっ…逃げられたか…」 憎々しげに呟くグレン。 さっきから何なんだよ。 「何かあったのか?」 「ああ……レースが連れ拐われた」 「「何!?」」 俺と隊員の声が重なる。 「何があった!?」 「朝の話だ。 あんたらが出発した後、レースが見晴らしがいいところに行きたいって言い出したから、俺は屋敷の屋根の上に連れてった。 したら祈り始めたもんだからそこで待っていたが、突然目の前に黒服のやつが現れた。 そいつは不気味に笑うと無数と言えるほどの蛇を召喚しやがった。 俺は応戦したが隙を突かれ、レースが捕まった。 レースを気絶させ、肩に背負ったそいつは屋根を走って逃げた。 追おうとしたが蛇に邪魔され、追えない。 やつの姿が見えなくなったところで蛇が一斉に消えたから、やつを追ってここまで来たんだ」 ここまで言うと、グレンはダンッと乾いた地面を踏みつけた。
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