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嫌な予感しかしねぇ…。
ってあれ? 姿が見えねぇのに何で追えたんだ?
「どうして追いかけられたんですか?」
俺が口にする前に隊員が同じことを問いかけた。
「ああ…すげぇ蛇臭かったからな」
その言葉に俺と隊員はお互いを見合う。
向こうは目を丸くしている。
「どうしたんだ?」
「ここに来たときから蛇くせぇって思ってたんだ。
おそらくお前のと同じだろ。
どっちに向かってるかわかるか?」
「ちょっと待ってくれ……あっちだ」
グレンが指した方向それは寸分違わず、蛇の祭壇の方向だった。
「ちっ!
お前とグレンはここにいろ!
俺は蛇の祭壇に行く!」
「た、隊長!」
「おい、よそ見している暇はないぞ」
「えっ…蛇ぃぃぃぃ!!」
大丈夫だ、あいつもなかなか強いし、グレンもいる。大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせ迷わず走り出した俺はただ唯一のことで頭が一杯だった。
くそっマジで嫌な予感しかしねぇ! 無事でいてくれよ!
すると目の前に異様なものが現れた。
真っ直ぐ立っているはずの木が歪み、土が紫色。
結界だ。
その障害物に俺は苛立ちを隠そうともせず、抜いたままの蛇斬りの剣を振り上げた。
「邪魔すんじゃ…ねぇよ! 草薙剣!」
俺の言葉に呼応するように蛇斬りの剣は太陽の光のチャージをすっ飛ばし、姿を草薙剣に変えると、荒々しい風が草薙剣を中心に巻き起こった。
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