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「草薙の風刃!!」
全力の風刃を結界にぶつける。
細かい無数の刃は結界を刻み、そのものを消滅させた。
全力で放ったにもかかわらず、草薙剣としての姿を保ったままの長剣を握りしめ、蛇の祭壇へ足を動かした。
もともと配置場所はそう離れていない。
一分足らずで、森を抜けた。
そこにあった光景は、地面に転がった騎士団の隊員、迸る雷、怒号と断末魔、そして埋め尽くさんばかりに這う蛇。
ギリッと唇を強く噛みしめ、そこから血が流れ落ちる。
そして俺は怒りに身を任せ、
「草薙の風刃んんんん!」
二度目となる風刃を無理矢理放った。
先日使った細かなそれとはうって代わりただの複数の三日月型の刃。
蛇だらけの地上を荒れ狂うように練り飛び、その過程で蛇を真っ二つにする。
そして刃どうしがぶつかり合うと、爆弾のように破裂し、強風を生み出すと共に、小さな刃を打ち出し、蛇を刻む。
それは俺の存在を示すには十分過ぎるものだった。
全ての蛇が俺の姿を認め、牙を向ける。
だが俺はそんなの無視して、蛇を蹴散らしながら、ただあいつの下へと走った。
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