過去~十年前の儀式~

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「何ぃ!」 「え…え?」 「まさか君…蛇の一族か?」 各々のその反応にボンドは狂ったように高笑いする。 「あっはははは!! そうですよ! やっと気付いたんですか! それでどうするんですか巫女様ぁ! 自分の娘を犠牲にして封印しますか! それともほっといて災厄を復活させますか! ああ別のものを探してくるなんて考えても無駄ですよ! この周りには結界が張ってありますし、そもそも今の封印は限界ですからねぇ!」 ボンドには強みがある。 巫女がレースを犠牲にできるわけがないということ。 それは確実に災厄が復活するという彼の悲願に直結する。 「やっとです! やっと人間共に復讐することが!」 「よくわかんねーけど、とりあえず…」 ネルソンが後頭部を掻きながら言う。 そこから舞い散る白いフケが肩につくよりも早く、 「あんたは潰させてもらうぜ」 ボンドの背後に現れ、止まることなく雷を纏った腕をボンドの肩に降り下ろした。 「なっ!」 だがそれは阻まれた。 突如ボンドから蛇のような尻尾が生え、ネルソンの腕に巻き付いたのだ。 そのまま呆気にとられるネルソンを持ち上げ、腕を離し、重力に従って落ちるネルソンの腹を尻尾殴りつける。 ここまでで一秒、気を取られていたとはいえ、雷帝であるネルソンが反応できないほど早業だった。 「あなたは下で戦ってなさい」 祭壇から放り飛ばされるネルソンに冷徹な言葉をかけ、見せつけるように尻尾を石畳の床に叩きつけ、それをめり込ませた。
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