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「何ぃ!」
「え…え?」
「まさか君…蛇の一族か?」
各々のその反応にボンドは狂ったように高笑いする。
「あっはははは!!
そうですよ! やっと気付いたんですか! それでどうするんですか巫女様ぁ!
自分の娘を犠牲にして封印しますか! それともほっといて災厄を復活させますか!
ああ別のものを探してくるなんて考えても無駄ですよ! この周りには結界が張ってありますし、そもそも今の封印は限界ですからねぇ!」
ボンドには強みがある。
巫女がレースを犠牲にできるわけがないということ。
それは確実に災厄が復活するという彼の悲願に直結する。
「やっとです! やっと人間共に復讐することが!」
「よくわかんねーけど、とりあえず…」
ネルソンが後頭部を掻きながら言う。
そこから舞い散る白いフケが肩につくよりも早く、
「あんたは潰させてもらうぜ」
ボンドの背後に現れ、止まることなく雷を纏った腕をボンドの肩に降り下ろした。
「なっ!」
だがそれは阻まれた。
突如ボンドから蛇のような尻尾が生え、ネルソンの腕に巻き付いたのだ。
そのまま呆気にとられるネルソンを持ち上げ、腕を離し、重力に従って落ちるネルソンの腹を尻尾殴りつける。
ここまでで一秒、気を取られていたとはいえ、雷帝であるネルソンが反応できないほど早業だった。
「あなたは下で戦ってなさい」
祭壇から放り飛ばされるネルソンに冷徹な言葉をかけ、見せつけるように尻尾を石畳の床に叩きつけ、それをめり込ませた。
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