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「これが何か知りたいといった顔ですねぇ」
ボンドは自身の尾てい骨付近から生えている尻尾を持ち上げ、手を添わした。
「察するに…蛇を弄くり回した結果ってところかい?」
「つれないですねぇ。
もう少し焦ってくれてもいいではないですか。
でも流石は…〝冷酷なる狩人〟ですね」
その名が出た瞬間、青年の顔が強ばった。
長剣を握る手にも力が入り、ボンドはにやつき、続ける。
「確か六年前でしたっけ……〝冷酷なる狩人〟はある村に出没した盗賊団の討伐に赴きました。
その時、恋人も一緒に行ったそうです。
二人は村で盗賊団の規模を知り意見がぶつかりました。
狩人は二人では危険と言うことで、一度ギルドに戻り人数を増やすと言い、恋人は危険を犯してでも早く倒しに言った方がいいと言いました。
意見は統一することなく、とりあえず一日村に泊まることになった。
しかし夜中、恋人は勝手に盗賊団の討伐に向かった。
狩人はその少し後に気付き、彼女を追いました。
そして狩人は盗賊団を見つけました。
しかしその頃には彼女は捕まり、性的欲望の矛先にされ、終いには殺されていました。
狩人は激昂し、盗賊団を皆殺しにした後、ギルドに二つ名を返上し姿を消しました。
かいつまんで話しましたが合っていますよね?
ギルド『希望』所属
Sランク二つ名〝冷酷なる狩人〟
今はこっちの方がいいですか?
レイロン騎士団第三部隊隊長 リッジ=ファイル殿」
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