過去~十年前の儀式~

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っと、揺れが大きくなりやがった。 封印に災厄が抗っているってことか。 にしても何でこのタイミングだ? とりあえず俺は駈け上がれ! 考えるのは後だ! 跳ぶようにして階段を蹴り上がる。 時々、飛行型の蛇がやってくるが、草薙剣の一振りで斬り伏せる。 あと少しで頂上というところで、不意に声が聞こえた。 「ぐあっ!」 「邪魔しないでください。 巫女がこんな選択をしたならば私は止めなければなりません」 ただごとではないと感じた俺は階段の影で息を潜め、先の様子を目に入れた。 グレンが言っていたのと同一であろう黒服のやつ。 そいつに抱えられ、気絶しているレース。 蛇に手足が付いたようなやつと、弓を杖にして立ち上がるリッジ。 そして光の束で重力に反し体を浮かせた──の姿。 どんな状況なのか全くわからないが、黒服のやつを倒し、レースを取り戻す。 幸い俺には誰も気づいていない。 「【エクス・アクセル】」 声を潜めて、先程の魔法の強化バージョンを掛け直す。 タイミングを見計らい、黒服のやつが俺に背を向けた瞬間、影から体を出し一直線に斬りかかる。 足音に気付き、振り向くが、特に大きな反応は見せず、服の袖を捲り、両腕に刻まれた召喚陣に手を当て、大量の蛇を呼び出した。 下に群がる蛇とは違い、小さく細長い。 黒服を守るように壁のように折り重なった。 俺を止めるつもりだろうが、甘ーよ!
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