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水帝がウッとなったところへ、風帝がのんびりと言い放った。
「そもそも炎帝は普通にしてただけなんじゃない~。元々暗いというか大人しいんだもん」
「どうせ、また無理矢理飲ませたんじゃないだろ。あーあ後で相当落ち込むぞ、あいつ」
それに続き雷帝が追い討ちをかけ、さらに止めとばかりに闇帝が言葉を放った。
「んぐ……失敗しかしないのになんでまた薬の調合なんてするかなぁ?前なんて爆発して部屋一個壊したし」
今度は飲み込んで話したが、そのせいで水帝にみごと直撃し、水帝はその場でうなだれる。
そこへ救いの手が差し伸べられた。
「水帝は炎帝を元気にさせようとしたのよね。それが行き過ぎただけ。
薬の調合の仕方ちゃんと教えてあげるわ」
光帝が優しく言い、水帝は思わず彼女に抱きついた。軽く涙目になっていた。
「ありがとう光帝!」
そこへ、
「もう良いか」
炎帝以外の全員が一斉に全帝を向いた。七帝である彼らの上司に当たる上に、全帝の物言いには逆らえない威厳がある。
「良いよな。
誰か炎帝を連れてこい」
そう言って大声を出している炎帝を指差す。
その炎帝以外の七帝全員がゆっくりと振り向き……、
まず地帝が否定した。
「僕は嫌だよ」
「おっ、俺もだ!」
続けて雷帝。
「私も~」
風帝も否定する。
「僕もやだ」
闇帝が口になにも入れずにはっきりと言う。
否定した四人の目が水帝に向かう。
それに気づいた水帝は焦ったように一歩引いた。
光帝は微笑んだままだった。
「なっ、なんで私なのよ!」
「だってねぇ~」
「君が原因だろ」
「まあそうゆうことだ」
「仕方ないよ」
四人からのごもっともな意見が来ると、水帝は隣の光帝に助けを求めた。
「光帝!」
「これはしょうがないわよ」
やはり光帝も嫌らしい。
この時ばかり光帝の微笑みが恐ろしく感じると、水帝は半泣きになりながら炎帝に振り返った。
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